なぜ人は旅先でTシャツを買うのか?

1990年代。まだスマホもSNSも、今ほど身近ではなかった時代。
旅行へ行っても、今のように写真を何百枚も撮ることはできませんでした。
だから人々は、旅の思い出を持ち帰るために、ポストカードを買い、マグカップを買い、そしてTシャツを買いました。
このピンク色のシアトルTシャツも、そんな時代に誰かが旅の記念として持ち帰った一枚なのかもしれません。
シアトルの景色を詰め込んだ一枚

フロントには、大きく「Seattle」の文字。
その下には、スペースニードル、フェリー、シアトルの街並み、山、飛行機など、街を象徴するような景色が描かれています。

まるで観光パンフレットを、そのままTシャツに閉じ込めたようなデザインです。
有名ブランドのロゴでも、バンドの名前でもありません。けれど、この一枚には「その土地へ行った記憶」が残っています。
ピンクという色が残す、旅の高揚感
このTシャツの魅力は、鮮やかなピンクのボディにもあります。
観光Tシャツというと、白やネイビーを思い浮かべる方も多いかもしれません。
でも、90年代頃のアメリカのスーベニアTシャツには、ピンク、ターコイズ、パープルなど、少し派手で楽しい色のものも多く見られます。
旅先で少し気持ちが大きくなって、普段なら選ばない色を選んでしまう。
そんな旅の高揚感まで、このピンク色には残っているように感じます。
Hanes BEEFY-T、アメリカ製ボディ

ボディは、HanesのBEEFY-T。100%コットン、Made in U.S.A.表記です。
BEEFY-Tらしい、しっかりとした生地感。古着としてのほどよい使用感はありますが、プリントの雰囲気ともよく合っています。
サイズ表記はXL。ゆったりとしたシルエットで、古着らしい力の抜けた着方ができる一枚です。
SNSがなかった時代の、着るアルバム

今なら、旅の思い出はスマホの中に残ります。
でも当時は、写真を撮る枚数にも限りがありました。
だからTシャツは、ただの服ではなく、旅の記憶を持ち帰るためのものでもありました。
クローゼットの奥からこのTシャツが出てきたとき、持ち主はきっと、シアトルで見た景色や、その時の空気を思い出したのではないでしょうか。
高額なヴィンテージではないけれど
このTシャツは、高額なヴィンテージTシャツではありません。
有名なバンドTでも、企業物でも、今の流行を強く感じる一枚でもありません。
けれど、誰かの旅の記憶をまとった服には、新品にはないぬくもりがあります。
FURUGI BONでは、こうした何気ない古着の中に残る物語も、大切にしていきたいと思っています。
ぬくもりのある服には、物語がある。
FURUGI BON
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