第1回:そもそも“異国ミックス古着”とは?(入門編)
アメリカ製じゃないのに、なぜか「アメリカの空気」をまとっている。
タグを見てみると、フランス・イギリス・ドイツ・ポルトガル…。
BONでは、そんな不思議で愛おしい一着たちを、そっと
「異国ミックス古着」と呼んでいます。
「異国ミックス古着」って、どんな服?
たとえば、胸にはカレッジ風のロゴ。
フォントも配色も、どう見ても「アメリカの大学スウェット」に見えるのに、
タグをひっくり返すと、Made in France や Made in UK が顔を出す。
そんなふうに、アメリカのムードをまといながら、実際の生まれはヨーロッパだったりする一着。
BONではそれをまとめて、やさしくこう呼んでみることにしました。
- 異国ミックス古着
- ゆるアメリカン気分(ヨーロッパ生まれ)
- US顔したヨーロッパっ子
どれも少しだけニュアンスは違うけれど、根っこにあるのは同じ。
「生まれた場所」と「まとっているムード」が、ちょっとだけズレている、その可愛い違和感です。
「Fake Americana」という言葉と、そのモヤモヤ
古着の世界では、こうしたアイテムを指して、
「Fake Americana(フェイク・アメリカーナ)」と呼ぶことがあります。
意味としては、
「アメリカ製じゃないけれど、アメリカっぽく作られた服」。
そう言われると、たしかに分かりやすい言葉です。
でも「Fake(フェイク)」という言葉には、どうしても
「偽物」「本物じゃない」という、少し強めの響きがついてまわります。
実際のアイテムを手に取ると、縫製も生地もプリントも、決していい加減ではなく、
むしろまじめに、ていねいに作られている服もたくさんあります。
それなのに「フェイク」とひとことで片付けてしまうのは、
その服が歩いてきた旅路や、時代の空気を、ちょっとだけ
軽く扱ってしまうような気がしたのです。
BON的なやさしい翻訳:「異国ミックス古着」という考え方
そこでBONは、あえて「フェイク」という言葉をそっと横に置いて、
その代わりに、こんな風に呼んでみることにしました。
- 異国ミックス古着:国と国が混ざり合った、文化のミックスジュースのような一着。
- ゆるアメリカン気分:生まれはヨーロッパだけど、心はちょっとアメリカに憧れている服。
- US顔したヨーロッパっ子:見た目はアメリカン、実はヨーロッパのまじめさん。
どれも、「偽物/本物」という線を引くための言葉ではありません。
混ざり合った文化そのものを、面白がるための言葉です。
服は、ときどき国境をまたいで旅をする。
その旅の途中で、いろんな文化の色が、少しずつ混ざっていく。
「異国ミックス古着」は、その旅の記憶がかたちになったものなのかもしれません。
具体例:Sorbonne(ソルボンヌ)のスウェットを見てみる
たとえば、フランスの名門大学 Sorbonne(ソルボンヌ) のロゴが入ったスウェット。
胸には、まるでアメリカのカレッジスウェットのような、力強いブロック体のロゴ。
色づかいも、配置も、雰囲気も、どう見ても「USカレッジもの」です。
でも、タグを見てみると、Made in France。
縫製のニュアンスも、リブのテンションも、どこかヨーロッパ的なまじめさを感じさせます。

この一着を、ただ「フェイクアメリカ」と呼んでしまうのは、なんだかもったいない。
BONはむしろ、
- 「フランス生まれの、ゆるアメリカン気分スウェット」
- 「US顔したヨーロッパっ子」
そんなふうに紹介したくなります。
偽物/本物じゃなく、「混ざり方」を楽しむ視点
古着の世界では、どうしても
「本物か、偽物か」
という視点で語られることが多くなりがちです。
もちろん、真贋を見分ける目は、大切なもの。
とくに、ラグジュアリーブランドやミリタリーアイテムでは、しっかり目を持つ必要があります。
一方で、「異国ミックス古着」のようなアイテムは、
必ずしも“偽物”という枠の中だけで語らなくてもいい服だと、BONは考えています。
- アメリカ文化が、ヨーロッパに渡って、現地で解釈されて生まれた服
- ロゴやフォントに、当時の憧れやブームがそのまま刻まれた服
- 「アメリカそのもの」ではなく、「アメリカというイメージ」をまとうために作られた服
そう思って手に取ると、
その一着はもう、ただの「フェイク」ではなく、
「文化が混ざりあった証拠」として見えてきます。
BONが「異国ミックス古着」を好きな理由
BONの合言葉は、
「ぬくもりのある服には、物語がある」です。
異国ミックス古着には、たくさんの物語が詰まっています。
- アメリカのカルチャーに憧れた、当時のヨーロッパの空気
- それをまじめに形にしようとした、工場やデザイナーたちの仕事
- 長い時間をかけて、国境を越えて、今ここにたどり着いた旅路
そうしたものをまとめて楽しめるからこそ、
BONはこのジャンルを、そっと「異国ミックス古着」と呼びたいのです。
これからの「異国ミックス古着」シリーズについて
この第1回では、「異国ミックス古着」という考え方の入口を、ざっくりとお話ししました。
これからのシリーズでは、もう少し具体的に、
- なぜ80s〜90sに、アメリカっぽい欧州スウェットがたくさん生まれたのか
- ヨーロッパの大学ロゴや観光地ロゴと、USカレッジの関係
- 企業物が「US物っぽく」見える、その理由
- 実際にどうコーディネートすると楽しいのか
そんな話を、BONなりの言葉で、少しずつ紐解いていく予定です。
「フェイク」かどうかだけで判断してしまうには、もったいない服たち。
混ざり合った文化ごと、まるっと楽しんでみたい方へ。
どうぞ、次回もお付き合いいただけたらうれしいです。
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