I-94を走るトラッカーの休憩所。Rothsay Truck Stop & Cafe のワークジャケット

ミネソタ州を横断する高速道路、I-94。長距離を走るトラッカーたちにとって、その道沿いに点在するトラックストップやカフェは「仕事場であり、少しだけホッとできる場所」でもあります。
今回Furugi Bonにやってきたのは、そんなハイウェイ沿いの小さな町 Rothsay(ロッツェイ) にある、「Rothsay Truck Stop & Cafe」 の名前が入ったワークジャケット。企業ユニフォームを多く手掛けてきた Hartwell Sports 製の一着です。
Rothsay Truck Stop & Cafe という「現場」
背中の刺繍には、カーブを描くように 「Rothsay Truck Stop」、中央に & Cafe、その下に I-94、そして一番下に 「Rothsay, Mn.」 と入っています。
華やかな観光地ではなく、いわゆる「ローカルなトラックストップ」。ガソリンスタンドと簡単な食事が取れるカフェが併設された、トラッカーたちのための休憩所です。
このジャケットを着ていたのは、おそらくそこで働いていたスタッフたち。給油を手伝ったり、カウンターでコーヒーを注いだり、フードを運んだり…。そんな日常の仕事を支えていた、リアルなワークウェア だと思うと、一気に温度のある一着に見えてきます。

刺繍に刻まれた“働く人の記憶”
黄色と白の刺繍糸で描かれたロゴは、プリントとは違うふっくらとした立体感があります。
- 「Rothsay Truck Stop」… トラッカーが立ち寄る給油と休憩の場所
- & Cafe … 温かいコーヒーや軽食が出てくる、小さなカウンター
- I-94 … 仕事の道そのものでもある州間高速道路
- Rothsay, Mn. … ミネソタ州の小さな町の名前
この4行だけで、どんな景色の中で、どんな人たちが、どんなふうに着ていたのかが想像できるのが、企業物ジャケットの面白さです。

つくりを見てわかる、90年代〜2000年代初期のHartwell
タグには赤と青の文字で 「Hartwell Sports」 のロゴ。光沢のあるブラックナイロンのシェルに、淡いトーンのキルティングライナー。袖口と裾には太めのリブが付き、全体のシルエットは身幅たっぷりのラグランスリーブ。
- やや大きめのダイヤ型キルティング
- 光沢強めのナイロンシェル
- 太めでしっかりしたリブ
- シンプルなスナップボタンフロント
こうしたディテールから、1990年代後半〜2000年代初頭 にかけてのHartwellらしい企業物ジャケットであることが分かります。


シルエットと着こなしのイメージ
フロントはとてもシンプル。無地のブラックナイロンに、ハンドウォーマーポケットが2つだけ。けれど、背中にはしっかりとお店の情報が刻まれています。
たっぷりとした身幅と、丸みの出る裾リブのシルエットは、まさに 90sワークジャケット の型そのもの。ラグランスリーブなので肩周りは動かしやすく、インナーにスウェットやニットを着込んでもストレスが少ないつくりです。
- 中にグレーのスウェットフーディーを重ねて、クラシックなトラッカースタイルに。
- 太めのデニムとワークブーツで合わせて、アメリカのハイウェイ沿いの空気感をそのままコーデに取り込む。
- あえて綺麗めのスラックスと革靴に合わせて、「働く服」をちょっと大人っぽく着崩す。

コンディションについて
全体的に、企業物ワークジャケットとしてはとても良いコンディションです。
- ナイロンシェルに大きなダメージや破れは見られません。
- リブ部分も、伸びや大きなホールはなく、まだしっかりしています。
- 裏地のキルティングも、ステッチ抜けや中綿の偏りは少なめです。
- 刺繍部分も糸切れは見られず、ふっくらとした立体感が残っています。
ワークウェアとして実際に使われていたことを考えれば、「まだまだ現役」 と言えるコンディションです。小さなスレやシワなど、実用品らしい表情も含めて楽しんでいただけたらうれしいです。
働く人の記憶シリーズ:I-94に立つトラックストップから
Furugi Bonでは、アメリカのリアルなワークウェアを「働く人の記憶」として紹介していくシリーズを少しずつ集めています。
このRothsay Truck Stop & Cafeのジャケットも、そのひとつ。大都市の派手なネオンサインではなく、ハイウェイ沿いの小さな町で、黙々と仕事を支えてきた一着です。
誰が着ていたのか、名前は分かりません。でも、このジャケットを羽織って、夜を越えたり、雪の日も働いていた誰かがいた。そのことを想像しながら、「今日はどこへ連れて行こうかな」と考えてもらえたら嬉しいです。
ぬくもりのある服には、物語があります。
そしてその物語は、今日この服を選んだあなたから、また新しく続いていきます。
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