背中に残る「Myrtle Beach」——Harley-Davidsonと見慣れないBravadoタグを追う
古着を見ていると、ときどき一枚の服の中に、
知らなかった街や会社の名前を見つけることがあります。
今回、Furugi Bonにやってきたのは、
鮮やかなブルーのHarley-DavidsonのロングスリーブTシャツ。

最初に目に飛び込んでくるのは、
スカルとメーターを思わせるモチーフ、
そしてフレイムを組み合わせたフロントグラフィックです。
さらに両袖にも「HARLEY-DAVIDSON MOTORCYCLES」のプリント。
これだけでも十分に存在感のある一着ですが、
この服について調べ始めるきっかけになったのは、
背中に残された文字でした。
背中に書かれた「Myrtle Beach」
バックには大きく、
「MYRTLE BEACH HARLEY-DAVIDSON」。
そして、
「MYRTLE BEACH, S.C.」
という地名も確認できます。
S.C.はSouth Carolina。
Myrtle Beachは、アメリカ・サウスカロライナ州の
大西洋沿岸にある街です。
この名前を調べてみると、
現在も「Myrtle Beach Harley-Davidson」という
Harley-Davidsonディーラーが実在していることが分かりました。
同店の公式情報によると、
1999年からGrand Strand地域で営業しており、
地域のモーターサイクル文化とも関わりを持つディーラーです。
つまり、この服の背中に残された「Myrtle Beach」は、
単に雰囲気を出すために置かれた地名ではなく、
実在するHarley-Davidsonディーラーと同じ名称です。
ただし、ここで一つ区別しておきたいことがあります。
今回の個体が、
実際にMyrtle Beach Harley-Davidsonの店舗で販売されたものなのか
までは、手元の情報だけでは確認できません。
分かっているのは、
この服に「Myrtle Beach Harley-Davidson」
「Myrtle Beach, S.C.」とプリントされていること。
BON JOURNALでは、
確認できることと想像できることを、
なるべく分けて残しておきたいと思います。
首元には、見慣れたHarley-Davidsonのタグ
背中の「Myrtle Beach」を調べながら、
首元のタグもあらためて確認してみました。
表側に見えるのは、
Harley-Davidsonのバー&シールドロゴ。
ここまでは、
Harley-Davidsonのウェアとして自然に見えるタグです。
ところが、
このタグをめくってみると、
裏側にはもう一つの名前がありました。
タグをめくると「Bravado」という名前が現れた
「Bravado」
Harley-DavidsonのTシャツを見ていても、
毎回目にする名前ではありません。
「これは何だろう?」
この小さな疑問から、
この一着についてもう少し調べてみることにしました。
Bravadoとは何者なのか
調べてみると、
Bravadoは単なるTシャツのボディメーカーとして捉えるより、
マーチャンダイズやライセンス、ブランド管理などを手掛ける会社として
見る方が適切だと分かりました。
現在はUniversal Music Groupの一部門として、
アーティストやブランドに関する
マーチャンダイズ、ライセンス、ブランド管理などを
世界規模で展開しています。
日本のUniversal Musicでも、
Bravadoはアーティスト公認グッズの企画・製造・販売や
ライセンス事業を手掛けるマーチャンダイジング企業として紹介されています。
さらに興味深いことに、
現在公開されているBravadoの事業情報を確認すると、
その活動に関係するブランドの一つとして
Harley-Davidsonの名前も確認できます。
つまり今回の一着にBravadoタグが付いていることは、
Harley-Davidsonとは無関係な会社のタグが
偶然付いている、と考える必要はなさそうです。
むしろ、
Harley-Davidsonのマーチャンダイズやライセンス商品の背景を考えるうえで、
興味深い手掛かりの一つです。
では、このタグから年代は分かるのか?
ここで古着好きなら、
もう一つ気になることがあります。
「では、このロンTは何年代なのか?」
見た目だけなら、
90年代のHarley-Davidsonを思わせる要素があります。
プリントの雰囲気。
生地の表情。
グラフィックの構成。
そして経年によるプリントのクラック。
古着屋で「90s Harley-Davidson」と紹介されていたとしても、
見た目だけなら違和感を持たない人もいるかもしれません。
しかし、今回Furugi Bonでは
「90s」とは表記しないことにしました。
品質表示から確認できるのは、
100% COTTON、
Made in Honduras、
そしてサイズ表記などです。
さらにBravadoのタグも確認できます。
しかし、それらの情報だけでは、
この個体の製造年を特定することはできませんでした。
また、Myrtle Beach Harley-Davidson自身が
1999年から営業していると案内していることを考えても、
単純に「見た目が90年代っぽい」という理由だけで
90年代製と断定するのは避けるべきだと考えました。
そこで、この一着についてのBONの答えは、
今のところシンプルです。
製造年代は特定できていません。
「古く見える」と「古いと確認できる」は違う
古着を扱っていると、
タグやプリント、縫製、生産国などから
年代を推測する場面があります。
もちろん、
それも古着を楽しむ面白さの一つです。
ただ、
「そう見える」ことと、
「そうだと確認できる」ことは別です。
分からないところを無理に埋めてしまえば、
物語はきれいにつながるかもしれません。
でも、それでは
実物の服が持っている情報から少し離れてしまいます。
だから今回は、
年代を付けることよりも、
この服に実際に残っているものを
一つずつ見ていくことにしました。
プリントのひび割れ、小さな穴、そして汚れ
フロントのプリントを近くで見ると、
白い部分を中心に細かなクラックがあります。
袖やバックのプリントにも、
新品にはない表情が残っています。
そして、
この服は完璧なコンディションではありません。
小さな穴や汚れがあります。
これらをすべて
「古着の味」という一言で済ませるつもりはありません。
販売する以上、
ダメージはダメージとして伝える必要があります。
一方で、
少し擦れたプリントや生地の経年変化まで含めて、
現在のこの服の表情が作られているのも事実です。
経年変化として楽しめる部分と、
商品として伝えるべきダメージ。
その二つは分けて考えたいと思います。
首、袖、脇も確認する
古着の場合、
プリントだけを見て状態を判断することはできません。
首回り、袖口、脇、裾。
着用時に負担がかかりやすい場所も確認します。
今回の商品ページでは、
そうした部分もできるだけ写真に残しました。
一枚の服から、知らなかった場所へ
今回、この服を手に取らなければ、
「Myrtle Beach Harley-Davidson」について
ここまで調べることはなかったかもしれません。
そして、
Harley-Davidsonのタグをめくらなければ、
「Bravado」という名前にも
気づかなかったかもしれません。
一枚の古着に残されていたのは、
Harley-Davidsonという有名なブランド名だけではありませんでした。
Myrtle Beachという街。
Bravadoという会社。
Made in Hondurasという生産地。
そして、
誰かが着てきたことで残った
プリントのクラックや小さな傷。
それぞれを一つずつ追っていくと、
最初に服を見たときには気づかなかった背景が
少しずつ見えてきます。
ただし、
調べても分からないことは残ります。
誰がこの服を買ったのか。
Myrtle Beachを訪れた人だったのか。
Harley-Davidsonに乗っていた人だったのか。
そして、正確にいつ作られたのか。
そこまでは分かりません。
でも、
それでいいのだと思います。
分からないところは分からないまま残し、
確認できたことだけを少しずつつないでいく。
それも、
古着を読む楽しみ方の一つです。
一枚の青いHarley-Davidsonから、
サウスカロライナ州の海辺の街へ。
そして、
見慣れたHarley-Davidsonのタグをめくった先にあった、
見慣れない「Bravado」という名前へ。
今回の一着は、
そんな寄り道をさせてくれた服でした。
商品情報
Harley-Davidson(ハーレーダビッドソン)Myrtle Beach
スカルプリント ロングスリーブTシャツ
カラー:ブルー
表記サイズ:L
素材:100% Cotton
生産国:Honduras
肩幅:約52.5cm
身幅:約55cm
着丈:約69.5cm
袖丈:約62.5cm
今回紹介したHarley-DavidsonのロンTは、Furugi Bonでご覧いただけます。
フロント・バック・両袖のプリントや、首回り・袖口・脇、
小さな穴や汚れなど、商品の状態も写真で詳しく掲載しています。
このロンTは90年代のHarley-Davidsonなの?
ぼんちゃん先生
今のところ、90年代製とは断定できないんだ。
見た目やプリントには年代を感じさせるところがあるけれど、
タグなどから製造年を特定できる根拠は確認できなかったよ。
だからFurugi Bonでは、
見た目だけで「90s」と決めずに、
製造年代は不明として紹介しているんだ。
BravadoってTシャツのボディメーカーなの?
ぼんちゃん先生
単純なボディメーカーとして考えるより、
マーチャンダイズやライセンス、
ブランド管理などを手掛ける会社として見る方が分かりやすいよ。
現在はUniversal Music Groupの一部門で、
アーティストやブランドに関する商品やライセンス事業を
世界規模で展開しているんだ。
Myrtle Beach Harley-Davidsonは本当にあるの?
ぼんちゃん先生
あるよ。
アメリカ・サウスカロライナ州Myrtle Beachに、
現在も実在するHarley-Davidsonディーラーなんだ。
公式情報では1999年からGrand Strand地域で営業しているよ。
ただし、このロンTが実際にその店舗で販売されたものなのかまでは、
今回の調査では確認できていないんだ。
穴や汚れがあるけど、古着なら「味」と考えていいの?
ぼんちゃん先生
プリントのクラックや生地の変化を、
古着ならではの表情として楽しむことはできるよ。
でも、小さな穴や汚れまで全部「味」で済ませるのは違うんだ。
ダメージはダメージとして伝えたうえで、
買う人に判断してもらうことが大切だよ。
※本記事は、商品に残されたタグ・プリントなどの実物情報と、
公開されている企業・店舗情報をもとに調査・記録したものです。
製造年代や過去の販売場所など、
確認できない事項については断定していません。
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