11年前、ChampionとSupremeは“迷彩”をどう着たのか。
2年ほど前に仕入れて、そのままBONの倉庫に置いていた一着があります。
タイガーカモのボディ。
胸には、大きなChampionの「C」。
そして背中には、迷彩の中に溶け込むような「SUPREME」。
改めて見てみると、ただロゴの大きなコラボレーションウェアというだけではありませんでした。
前から見るとChampionが主役。
後ろを向くとSupremeが現れる。
しかも、そのSupremeは派手に主張するのではなく、タイガーカモの中に少し隠れるように置かれています。
2015年。
今から11年前、ChampionとSupremeは「迷彩」をどう服にしたのでしょうか。

2015年、Supreme × Championの一着
この一着は、2015年秋冬に登場した
Supreme × Champion「Snap Front Sweat」。
カラーはOlive Tiger Camo。
名前に「Sweat」とありますが、一般的なクルーネックスウェットとはかなり姿が違います。
フロントはスナップボタンで開閉する仕様。
両脇にはポケットがあり、首元・袖口・裾にはリブが付きます。
形だけを見れば、スウェットというよりもスタジャンやスナップジャケットに近い印象です。
ChampionとSupremeの関係は、この一着だけで突然始まったものではありません。
両者は2010年代に複数のコラボレーションを展開し、スウェットやフーディー、ジャケットなど、Championが得意としてきたスポーツウェアを土台にしたアイテムを残しています。
この2015年のSnap Front Sweatも、その流れの中にある一着です。
前を向くと、Champion
まず目に飛び込んでくるのが、左胸の大きな「C」。
赤、白、ネイビー。
Championを知っていれば、一文字だけでも何のマークなのか分かるほど有名なロゴです。
しかも、この一着ではかなり大きい。
タイガーカモという情報量の多い柄の上でも埋もれず、フロントの主役になっています。
ここだけを見ると、
「Supremeの服にChampionのロゴが付いている」
というより、
「Championを前面に出した服」
と言った方がしっくりきます。
でも、後ろを向くとSupremeが現れる
ところが、背中側はまったく違います。
肩から背中にかけて、大きく弧を描く
「SUPREME」。
大きさだけなら十分に目立つロゴです。
でも、色を見ると不思議です。
ボディとはっきり対比する色ではなく、暗い色でタイガーカモの中に溶け込ませています。
胸のChampionは、赤・白・ネイビーでくっきり。
背中のSupremeは、迷彩の中に潜む。
前にChampion。
背中にSupreme。
同じ一着の中で、二つのブランドの見せ方がまったく違うのが面白いところです。
なぜ、タイガーカモなのか
もうひとつ、この服を強く印象づけているのがタイガーカモです。
黒、オリーブ、ブラウン、ベージュ。
細長くうねるような色の帯が重なり、一般的なウッドランドカモとは違う表情を作っています。
「Tiger Stripe」と呼ばれる迷彩は、その名の通り虎の縞を思わせるパターンです。
ただ、この服で大切なのは、迷彩柄そのものの軍事的な由来を必要以上に語ることではないと思います。
ここではむしろ、
迷彩をストリートウェアの柄としてどう使ったか
に注目したい。
迷彩の上に、大きなChampionのC。
そして、迷彩の中へ少し隠れるSupreme。
柄が単なる背景ではなく、二つのロゴの見え方まで変えているのです。
スウェットなのに、前が開く
商品名は「Snap Front Sweat」。
その名前どおり、フロントにはスナップボタンが並びます。
Championといえば、クルーネックスウェットやフーディーを思い浮かべる人も多いと思います。
でもこれは、前を完全に開くことができる。
Tシャツの上に羽織ればジャケットのように見え、ボタンを閉じればスウェットらしい厚みのある一着になる。
両サイドにはポケットもあります。
「スウェット」と「ジャケット」の間にあるような服。
この少し曖昧な立ち位置も、このモデルの面白さです。
首元に残る「EXCLUSIVELY FOR Supreme」
首元のタグを見ると、
Champion
AUTHENTIC
MEDIUM
EXCLUSIVELY FOR Supreme
MADE IN CAMBODIA
と記されています。
中でも目を引くのが、
「EXCLUSIVELY FOR Supreme」
という文字。
表面の大きなロゴだけを見るのとは、少し意味が違います。
服をひっくり返し、タグを見ることで、
「ChampionとSupreme」という組み合わせが内側にもきちんと残っていることが分かります。
品質表示から分かること
品質表示には、さらに細かな情報が残されています。
表記サイズはM。
ボディは、
コットン80%・ポリエステル20%。
リブ部分は、
コットン97%・スパンデックス3%。
そして、
RN#15763、
CA00153、
V0666 0GR
などの表記も確認できます。
生産国はカンボジア。
古着を見るとき、つい表側のデザインばかりに目が行きます。
でもタグに残された小さな文字も、その服を知るための資料のひとつです。
裏返してみると、服の作り方が見えてくる
今回、この一着を見ていて特に面白かったのが裏側でした。
表から見ると完成されたChampionのCやSUPREMEの文字。
でも服を裏返すと、それらを留めているステッチが見えます。
普段は見えない場所です。
それでも、ここを見るとロゴが単に表面へプリントされているのではなく、パーツを縫い合わせて形を作っていることが分かります。
内側にはオリーブ系の裏起毛。
外側のタイガーカモとは違って、かなり静かな表情です。
古着を調べるときは、外から見るだけでは分からないことがあります。
タグを見る。
縫い目を見る。
裏返してみる。
そうすると、一着の情報量が急に増えてきます。
左袖にある、もうひとつのC
左袖にも、小さなChampionのCマークが付いています。
胸の巨大なCに比べれば、本当に小さなディテールです。
でもChampionのスウェットを見慣れている人にとっては、むしろこちらの方が馴染みのある景色かもしれません。
胸では大きく見せる。
袖ではいつものChampionらしさを残す。
一着の中で、同じロゴを違う役割で使っているようにも見えます。
表記M。でも、数字でも見ておきたい
表記サイズはMです。
実寸は、
肩幅:約47cm
身幅:約59cm
袖丈:約61.5cm
着丈:約67cm
となります。
同じ「M」でも、ブランドや年代、作りによって着用感は変わります。
古着の場合は、タグに書かれたサイズだけでなく、実寸も合わせて確認することをおすすめします。
※採寸は平置きで行っています。測り方によって多少の誤差が生じます。
2015年の服が、もう11年前になった
2015年。
それほど昔ではないように感じる人もいるかもしれません。
でも2026年から数えれば、もう11年前です。
当時、新しいストリートウェアとして店頭に並んでいた服が、少しずつ「古着」として見られる時間に入ってきています。
そして、ここが面白いところです。
古着は、必ずしも50年前、60年前の服だけではありません。
昨日まで「少し前の服」だったものが、時間とともに当時のデザインや空気を伝える服へと変わっていきます。
この一着も、そんな境目にいる服なのかもしれません。
前にChampion。背中にSupreme。
改めて、この服を前から見ます。
まず目に入るのはChampion。
そして後ろを向いて、初めてSupremeが現れる。
しかもそのSupremeは、タイガーカモの中に少し隠れている。
二つの有名なブランド名を大きく並べるのではなく、
見る方向によって主役が入れ替わる。
そこに、この服の面白さがあるように思います。
2年ほどBONの倉庫に置いたままになっていました。
Championを改めて見ている今、もう一度この一着を手に取ってみると、以前とは違うところが気になりました。
大きなC。
迷彩に沈むSUPREME。
スナップボタン。
首元の小さな文字。
そして、裏側に残る縫い目。
服は、表から眺めるだけでは分からない。
ひっくり返してみると、また別の話が始まります。
これは2015年のSupreme × Championなの?
ぼんちゃん先生
そうだよ。確認できる資料では「Supreme Champion Snap Front Sweat」として2015年秋冬(FW15)に展開されたモデルで、カラーはOlive Tiger Camoとされているよ。
タイガーカモ、スナップフロント、胸の大きなChampion Cロゴ、背中のSUPREMEという、この個体の特徴とも一致しているんだ。
「EXCLUSIVELY FOR Supreme」ってどういう意味?
ぼんちゃん先生
首元のChampionタグに入っている言葉だね。
「Supremeのために特別に作られた」という意味に読める表記だよ。表側のロゴだけではなく、タグにも両ブランドの関係が残されているのが、この服を見るうえで面白いポイントなんだ。
これはジャケット?それともスウェット?
ぼんちゃん先生
モデル名は「Snap Front Sweat」だから、基本的にはスウェットとして考えるのがいいよ。
ただし前がスナップボタンで全部開いて、ポケットも付いている。形はスタジャンやジャケットに近いから、羽織り物として使えるスウェットなんだ。
背中のSUPREMEはプリントなの?
ぼんちゃん先生
プリントではないよ。
実物を裏返すと、文字を構成するパーツを留めたステッチが確認できるんだ。表から見るだけでなく、裏側を見るとロゴの作り方まで分かるのが面白いね。
2015年の服は、もう古着なの?
ぼんちゃん先生
「何年以上なら古着」という絶対的な決まりがあるわけではないよ。
でも2026年から見れば2015年は11年前。当時のストリートウェアやデザインを振り返ることのできる服になり始めている、と考えることはできるね。
古着の面白さは、ものすごく古い服だけにあるわけじゃないんだよ。
参考資料・出典
本記事では、Supreme × Champion「Snap Front Sweat」について以下の資料を参考にしました。
-
StockX「Supreme Champion Snap Front Sweat Olive Tiger Camo」
2015年秋冬(FW15)、Olive Tiger Camoのモデル情報を確認。 -
StockX News「Supreme 25th Anniversary: Champion Collaborations」
SupremeとChampionによる過去のコラボレーションについて参照。
※商品の状態、タグ、素材表記、縫製、実寸などについては、Furugi Bon所有の実物を確認して記載しています。
商品について
Supreme × Champion
2015 FW Snap Front Sweat
Olive Tiger Camo
表記サイズ:M
肩幅:約47cm
身幅:約59cm
袖丈:約61.5cm
着丈:約67cm
BODY:Cotton 80% / Polyester 20%
RIB:Cotton 97% / Spandex 3%
Made in Cambodia
販売価格:34,800円+税
税込38,280円
この一着はFurugi Bonオンラインストアでご覧いただけます。
古着屋「Furugi Bon」では、服そのものだけでなく、
その服の背景に残っている時代や文化、ディテールも一緒に記録しています。
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