リバースウィーブは、スウェットだけじゃなかった。Champion「REVERSE WEAVE T-SHIRT」をひっくり返してみる。
古着を見ていると、たまに「名前は知っているのに、見たことがない服」に出会います。
今回の一枚も、そんな服でした。
Champion。
そして、首元のタグにはこう書かれています。
REVERSE WEAVE T-SHIRT
リバースウィーブと聞けば、多くの人が思い浮かべるのはスウェットシャツやパーカーでしょう。
でも、これは半袖のTシャツです。
では、このTシャツのどこが「REVERSE WEAVE」なのでしょうか。
今回は、表側だけではなく、脇の下や裾までひっくり返して、この一枚を見ていきます。

タグには、本当に「REVERSE WEAVE T-SHIRT」と書いてある
まず確認したいのが、首元のタグです。

タグには、
REVERSE WEAVE T-SHIRT
MEDIUM
100% COTTON
HEAVYWEIGHT JERSEY
とはっきり記されています。
つまりこれは、単に「リバースウィーブっぽいデザインのTシャツ」なのではなく、Champion自身が「REVERSE WEAVE T-SHIRT」と名付けて作ったものです。
そもそも「Reverse Weave」とは何だったのか
Reverse Weaveは、Championを代表する製法のひとつです。
Championの公式資料によると、その始まりは1930年代。
当時、学校やチームなどで大量に洗濯されるアスレチックウェアには、生地が縦方向に縮んでしまうという問題がありました。
そこでChampionは、本来縦方向に使う生地を90度回し、横方向に使う方法を考案します。
生地を“逆向き”に使うことで、縦方向への縮みを抑える。
これが「REVERSE WEAVE」という名前につながった考え方です。
Championは1938年にこの製法に関する最初の特許を取得し、その後1952年には、動きやすさや横方向の伸縮に配慮したサイドパネルを加えた仕様へと発展していきました。
現在のChampionにもReverse Weaveの半袖Tシャツは存在し、生地を横方向に使用するとともに、両脇に「EXPANSION GUSSET」と呼ばれるパネルを設ける構造が採用されています。
つまり、Reverse Weaveという考え方は、スウェットシャツだけのものではありません。
では、このTシャツの脇を見てみる
今回の個体でまず目を引くのが、ネイビー系の身頃の左右に入った黄色い生地です。
正面から見るだけでもかなり特徴的ですが、脇下を開いてみると、その構造がさらに分かりやすくなります。


前身頃と後身頃をそのまま縫い合わせる一般的なTシャツとは違い、この一枚では、その間に黄色いパネルが入っています。
現在のChampionがReverse Weave Tシャツについて説明している「EXPANSION GUSSET」と、非常によく似た思想を感じさせる部分です。
ただし、この古い個体について当時の仕様書が確認できているわけではありません。
そのため、ここでは「この黄色い部分が現行品とまったく同じ名称・仕様のEXPANSION GUSSETだった」とまでは断定せず、現物から確認できる構造として見ていきます。
さらに、裾をひっくり返してみる
次は裾です。
表側から見ると、黄色い生地が左右に入った少し変わった配色のTシャツ。
ですが、裾をめくると、前後の身頃とサイドパネルがどのようにつながっているのかが見えてきます。


左右の黄色いパネルが、脇下だけの装飾ではなく、裾まで一続きになっていることが分かります。
こうして内側を見ると、「色を切り替えただけのデザイン」ではなく、身頃そのものを複数のパーツで組み立てていることがよく分かります。
服は、表側だけでは分からないことがあります。
今回のTシャツは、まさにその一枚です。
首元には、スウェットを思わせる三角形
もうひとつ気になるのが、首元です。

襟のすぐ下に、三角形のV字ディテールが入っています。
ヴィンテージスウェットなどで目にすることの多い意匠を思わせます。
ただし、このV字そのものがReverse Weaveの機能を担っている、と考えるのは早計です。
ここでは機能というよりも、Championのアスレチックウェアやスウェットシャツの文法を感じさせるデザインとして捉える方が自然でしょう。
袖には、小さなChampionのCマーク

このTシャツには大きなプリントも、文字もありません。
外からChampionだと分かる要素は、袖に付いた小さなCマークくらいです。
ネイビーと黄色の配色、首元のV字、サイドパネル。
ロゴではなく、服そのものの構造で存在感を出している一枚です。
そして、分からなかったこともある
古着の記事を書くとき、どうしても知りたくなるのが「何年のものなのか」です。
今回もタグを細かく確認しました。


タグの裏側には、非常に薄い印字が残っています。
写真では「…398」のようにも見えます。
しかし、この数字が製造年月を示すものなのか、それとも品番・ロット・生産管理上のコードなのかを裏付ける資料は確認できませんでした。
そのため、この数字だけを根拠に「1998年製」とすることは避けます。
製造国についても、現時点では判読できません。
分からないものは、分からないままにしておく。
古着を調べるときには、それも大切なことだと思っています。
表記はMEDIUM。今見ると、かなりすっきりしたシルエット

表記サイズはMEDIUM。
平置き実寸は、
- 肩幅:約44.5cm
- 身幅:約48cm
- 袖丈:約17cm
- 着丈:約69cm
現在のオーバーサイズ傾向のTシャツと比べると、身幅は比較的すっきりしています。
その一方で着丈はしっかりとあり、縦に細長いシルエットです。
スウェットのための発明は、半袖にも残っていた

ChampionのReverse Weaveは、縮みという現実的な問題から生まれた服作りの工夫でした。
その名前を聞くと、どうしてもスウェットシャツを思い浮かべます。
でも今回のタグには、はっきりと、
REVERSE WEAVE T-SHIRT
と書いてあります。
厚手のコットンジャージー。
左右のサイドパネル。
首元のV字。
そして袖の小さなCマーク。
プリントも、大きなロゴもない。
それでも、この一枚には調べる場所がいくつもありました。
服をひっくり返してみると、どういう考えで作られた服なのかが、少しだけ見えてくる。
古着の面白さは、こういうところにもあるのかもしれません。

リバースウィーブって、スウェットだけじゃないの?
ぼんちゃん先生
スウェットの印象がとても強いけれど、Tシャツにも「REVERSE WEAVE」の名前を持つ製品があります。
Championの現行品にも、生地を横方向に使い、両脇にガゼットを設けたREVERSE WEAVEの半袖Tシャツがあります。
普通のTシャツと、どこが違うの?
ぼんちゃん先生
今回の個体で特に目立つのは、左右に入った黄色いサイドパネルです。
前身頃と後身頃の間に別の生地が入り、脇下から裾まで続く構造になっています。
首元の三角形がリバースウィーブの証なの?
ぼんちゃん先生
このV字だけを見て、「Reverse Weaveだから付いている」と断定することはできません。
今回は、Championのスウェットやアスレチックウェアを思わせるデザイン上のディテールとして見ています。
このTシャツは何年製なの?
ぼんちゃん先生
現時点では、正確な製造年を特定できていません。
タグ裏には薄い数字のような印字が残っていますが、それが年代を表すコードだという根拠は確認できませんでした。
そのため、BONでは無理に「1998年製」などとは表記しません。
商品について
Champion REVERSE WEAVE T-SHIRT
- ブランド:Champion
- 表記サイズ:MEDIUM
- 素材:コットン100%
- 生地表記:HEAVYWEIGHT JERSEY
- 肩幅:約44.5cm
- 身幅:約48cm
- 袖丈:約17cm
- 着丈:約69cm
- 製造年代:特定できず
- 製造国:現時点では判読できず
※実寸は平置きで計測しています。多少の誤差はご了承ください。
ONLINE STORE
Champion REVERSE WEAVE T-SHIRT
このTシャツは、Furugi Bonオンラインストアでご覧いただけます。
サイズ・状態・商品写真など、詳しくはこちらから。
参考資料
この記事では、Champion公式が公開しているReverse Weaveの歴史および現行REVERSE WEAVE Tシャツの製品説明を参考にしています。
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