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服と人の物語

1999年10月30日、Bar Aで何があった? ハロウィーン・ファンランの一着を追う。

1999 BAR A'S Halloween Fun Runを紹介するBON JOURNAL記事のOGP画像

古着を見ていると、ときどき「いつ作られた服なのか」だけではなく、
「その日、そこで何があったのだろう?」
と考えたくなる一着に出会います。

今回見つけたのは、一枚の白いロングスリーブTシャツ。

胸には、墓石や枯れ木、走るキャラクターたち。

そして、その上にはこう書かれています。

BAR A’S 12TH ANNUAL
HALLOWEEN FUN RUN
OCTOBER 30, 1999

1999年10月30日。

今から20年以上前の、ハロウィーン直前の土曜日です。

1999 BAR A'S Halloween Fun Run ロングスリーブTシャツ フロント
1999年10月30日の日付が残る「BAR A’S 12TH ANNUAL HALLOWEEN FUN RUN」のロングスリーブTシャツ。

1999年10月30日。「12回目」のハロウィーン・ファンラン

まずは、フロントのプリントをそのまま読んでみます。

BAR A’S 12TH ANNUAL HALLOWEEN FUN RUN

そして、その下には、

OCTOBER 30, 1999

とあります。

つまり、このTシャツが記録しているのは、1999年10月30日に行われたとみられる「Bar A’s Halloween Fun Run」の12回目。

ここで大切なのは、「12回目だから第1回は○年」と単純に逆算しないことです。

途中に開催されなかった年があったのか、毎年途切れることなく行われていたのか。現時点では、それを裏付ける当時の資料までは確認できていません。

確実に言えるのは、1999年の時点で、このTシャツには「12TH ANNUAL」と記されていたということ。

BAR A'S 12TH ANNUAL HALLOWEEN FUN RUN OCTOBER 30 1999 プリント
墓地を走るキャラクターと「OCTOBER 30, 1999」の文字。イベントの日付そのものがデザインとして残されています。

「Bar A」とは、どこなのか

では、プリントの一番上にある「BAR A」とは何なのでしょう。

調べていくと、ニュージャージー州Lake ComoにあるBar Anticipationへたどり着きます。

地元では「Bar A」と呼ばれてきた場所です。

Bar Anticipationの歴史を紹介した資料によれば、現在につながる店は1981年に始まりました。

そして興味深いのは、店が早い時期から、音楽イベントだけではなく、ローカルのFun Runやチャリティーイベントなども開催してきたと紹介されていることです。

つまり「Bar」と「Fun Run」という、一見すると少し不思議な組み合わせは、この場所にとって決して不自然なものではありませんでした。

ただし、今回のTシャツに記された1999年10月30日のイベントそのものについて、当時の公式告知やレース結果などの一次資料は、現時点では確認できていません。

そのためBON JOURNALでは、このTシャツに記された「BAR A」と現在のBar Anticipationとの関係について、周辺資料から読み解きながら見ていきます。

プリントの片隅にある「Thunderbird District BSA」

フロントプリントをもう少し近くで見てみると、さらに気になる文字があります。

Thunderbird District BSA

Thunderbird Districtは、現在のMonmouth Councilに属する地区として確認できます。

その担当地域には、Belmar、Eatontown、Lake Como、Manasquan、Ocean Townshipなど、ニュージャージー州Monmouth County南部のコミュニティが並んでいます。

ここで一つ、点と点がつながります。

Bar AnticipationがあるLake Comoも、Thunderbird Districtが担当する地域の一つなのです。

1999 Halloween Fun Run Thunderbird District BSA プリント接写
フロントプリントには「Thunderbird District BSA」の表記も確認できます。

背中いっぱいに並んだ名前

このTシャツの面白さは、フロントだけではありません。

背中を見ると、企業や団体と思われる名前がびっしりと並んでいます。

WORLD JEEP, CHRYSLER AND PLYMOUTH OF EATONTOWN、H.J. BAILEY CO.、E & K AGENCY、MILLER BREWING COMPANY……。

一枚のイベントTシャツの背中が、まるで1999年当時のローカルコミュニティの名簿のようになっています。

1999 BAR A'S Halloween Fun Run バック スポンサープリント
背面には数多くの企業・団体名が並びます。イベントウェアならではのディテールです。

こうした名前がなぜプリントされているのか。

イベントTシャツの文脈から考えれば、開催を支えた企業や団体に関係する表記と考えるのが自然です。

ただし、1999年当時の公式スポンサー一覧そのものを確認できているわけではありません。

だからこそ、「スポンサーだった」と断定するのではなく、この一着に実際に残された名前として見ていきたいと思います。

左袖に残された「BIRDSALL ENGINEERING, INC.」

そして、さらに面白いディテールがあります。

左袖です。

そこには、

BIRDSALL ENGINEERING, INC.
(732) 681-1765

とプリントされています。

BIRDSALL ENGINEERING INC 左袖プリント 1999 Tシャツ
左袖には「BIRDSALL ENGINEERING, INC.」の社名と電話番号がプリントされています。

Birdsall Engineering, Inc.を調べてみると、その歴史は1919年までさかのぼります。

同社の企業史によれば、Monmouth Countyで自治体向けのエンジニアリング会社として始まり、その後、計画、構造、交通、水資源など幅広い分野へ事業を拡大していきました。

つまり、この袖にプリントされた名前もまた、このTシャツが生まれたニュージャージーの地域社会につながる手がかりの一つです。

フロントのイベント名。
Thunderbird District。
背面に並ぶ企業名。
そして袖のBirdsall Engineering。

一つひとつは小さな文字ですが、読み進めていくと、一枚のTシャツから地域の輪郭が少しずつ見えてきます。

27年後も、「走って、集まる」場所

そして、この服について調べていて特に印象的だったことがあります。

Bar Anticipationでは、現在もランニングイベントとのつながりが残っています。

公式イベント記録には、2025年の「Fallen Heroes 5K Memorial Run」や「Bar A Kilt Run」などが掲載されています。

さらに2026年のNJ FMBA Fallen Heroes 5Kでも、レースはBar Anticipationをスタート・ゴール地点として開催されています。

もちろん、これらは1999年のHalloween Fun Runとは別のイベントです。

それでも、

人が走り、そのあと同じ場所に集まる。

そんな文化が、時代を越えてこの場所に残っていることは、とても興味深く感じます。

服は、その日の記録になる

1999年10月30日。

その日、誰がこのTシャツを着ていたのでしょう。

実際に走った人だったのか。
イベントを支えた人だったのか。
それとも、会場で手に入れた一枚だったのか。

そこまでは分かりません。

でも、分からないからこそ、この服に残された文字を一つずつ読んでみたくなります。

大量生産されたファッションとしてのグラフィックではなく、ある場所、ある日、そこに集まった人たちのために作られた服。

27年後、その一着が海を越えて日本に残っています。

古着の面白さは、希少性やブランドだけではありません。

服そのものが、誰かが過ごした時間の小さな記録になっていることがあります。

この白いロンTも、そんな一着なのだと思います。

ボディはGildan Ultra Cotton

ボディにはGildan Ultra Cotton Heavyweightが使用されています。

タグ表記は100% COTTON、サイズL。

「ASSEMBLED IN HONDURAS OF CANADIAN COMPONENTS」の表記も確認できます。

Gildan Ultra Cotton Heavyweight サイズL タグ
Gildan Ultra Cotton Heavyweight。表記サイズはL。
Gildan Ultra Cotton 100パーセントコットン ケアタグ
100% COTTON。「ASSEMBLED IN HONDURAS OF CANADIAN COMPONENTS」の表記が残ります。

サイズとコンディション

表記サイズはL

  • 肩幅:約52.5cm
  • 身幅:約54.5cm
  • 袖丈:約62cm
  • 着丈:約72cm

※平置きでの採寸です。多少の誤差はご了承ください。

1999 BAR A'S Halloween Fun Run ロングスリーブTシャツ 実寸
実寸については商品ページでも詳しく掲載しています。

また、フロント右胸上部付近に極小の穴があり、その反対側にあたる背面側にも小さな穴が確認できます。

販売にあたっては補修で隠すのではなく、現状のまま状態を撮影・記録しています。

1999 BAR A'S Halloween Fun Run Tシャツ フロント 極小穴
フロント側に見られる極小の穴。定規とともに状態を記録しています。
1999 BAR A'S Halloween Fun Run Tシャツ 背面 極小穴
フロント側の穴の反対側にあたる背面部分。こちらも状態をご確認ください。

1999 BAR A'S Halloween Fun Runを解説するハロウィーン姿のぼんちゃん先生
ぼんちゃん先生と一緒に、一枚の古着から1999年のニュージャージーに残された物語をおさらい。

Q.
このTシャツは何年のものなの?
猫耳フードのぼんちゃん先生

ぼんちゃん先生

フロントに「OCTOBER 30, 1999」とプリントされているんだ。

だから、1999年10月30日の「BAR A’S 12TH ANNUAL HALLOWEEN FUN RUN」に関連して作られた一着と考えるのが自然だよ。

Q.
「Bar A」って何なの?
猫耳フードのぼんちゃん先生

ぼんちゃん先生

ニュージャージー州Lake Comoにある「Bar Anticipation」は、地域で「Bar A」と呼ばれてきた場所なんだ。

現在につながるお店は1981年に始まり、Fun Runやチャリティーなど、地域のイベントとも長く関わってきたことが確認できるよ。

Q.
「Thunderbird District BSA」って何?
猫耳フードのぼんちゃん先生

ぼんちゃん先生

現在のMonmouth Councilに属する地区のひとつだよ。

Lake ComoやBelmar、Eatontownなど、ニュージャージー州Monmouth County南部の地域を担当しているんだ。Bar AのあるLake Comoも含まれているところが、このTシャツを読み解く大事なポイントだね。

Q.
背中に並んでいる会社名はスポンサーなの?
猫耳フードのぼんちゃん先生

ぼんちゃん先生

イベントTシャツの作りを見ると、開催に関係した企業や団体の名前と考えるのが自然だね。

ただし、1999年当時の公式スポンサー一覧そのものは、今のところ確認できていないんだ。だからBON JOURNALでは「このTシャツに記録されている企業・団体名」として紹介しているよ。

Q.
左袖の「BIRDSALL ENGINEERING, INC.」は何?
猫耳フードのぼんちゃん先生

ぼんちゃん先生

ニュージャージー州Monmouth Countyにルーツを持つエンジニアリング会社なんだ。

会社の歴史は1919年までさかのぼるよ。この名前まで袖に残っているから、一枚の服から当時の地域とのつながりをたどれるのが面白いところだね。

Q.
「12TH ANNUAL」なら、第1回は1988年なの?
猫耳フードのぼんちゃん先生

ぼんちゃん先生

単純に逆算するとそう考えたくなるけれど、そこは断定しない方がいいんだ。

毎年途切れず開催されたのか、途中で開催されなかった年があったのかまでは確認できていないからね。確実に言えるのは、1999年のTシャツに「12TH ANNUAL」と記されていることまでだよ。


参考資料
Bar Anticipation / Bar A
Monmouth Council / Thunderbird District
Birdsall Services Group / Firm History
NJ FMBA Fallen Heroes 5K

※本記事は、衣類に残されたプリントやタグの情報と、公開されている資料をもとに調査・構成しています。1999年10月30日の「BAR A’S 12TH ANNUAL HALLOWEEN FUN RUN」そのものについては、当時の公式プログラムやレース結果などの一次資料を現時点では確認できていません。確認できない内容については断定を避けています。

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BON

BON

難しいことはわかりません。

可愛いが信条の町の古着屋店主です。 古着の知識は、無いに等しいです。 お客様から、色々と教えていただいております。 可愛いが大好き。食べるのも大好き。旅行も大好き。アニメ、映画大好き。格闘技も大好き。そんなBONです。よろしくお願いします。

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